「星空観測したいな。」
「どこで?」
「例えば空気がきれいで冬の星座がきれいに見えるアイシクルエリアとか。」
「そんな遠い所お断りだ。」
「泊まりで行けばいいじゃない。」
「そんな暇ない。」
「休暇を取るか、この辺の休みを使ってさ。」(←カレンダーを指し示しているらしい)
「・・・時間の無駄だ。」
凍り付く空気が流れる。(笑)
「・・・あなた私と付き合ってるんじゃなかったの?」
「勢いで寝ただけだ。関係ない。」
「・・・・・・さっ!さいてーーーーー!!!!」



「あっ・・・・・・、そう。」
↑この女の子から苦情のメールをもらったザックスが、その原因のやりとりを聞いて絶句していた。
はあーーーと深いため息をついて、ヴィンセントが口を開いた。
「セフィ、あれ程女性には親切にするようにと言ったのに。」
「してる。」
セフィロスが即答した。
「どこが。」
「余計な希望を抱かせないようにだ。」
「・・・」
ヴィンセントがさり気なく顔を背けた。
「とりあえずさ、前提としてセフィロスは女の子は好きなわけ?」
あまりに基本的なザックスの質問に、隣に座っていたクラウドがのけぞった。
「好きだぞ。大体はな。まあ、ヴィンの方がいいけど。」
側で聞いていたヴィンセントが深〜いため息をつく。
「ってことはだ。女の子に好かれたいって気持ちはあるわけだ。」
「業務が滞らない程度にな。」
とりあえず、まとも(?)答を得られて安心するザックスと、その深い意味を考えると単純に喜べないクラウドとヴィンセントだった。
「じゃあ、業務が滞らない程度に上↑の女の子をなだめるにはどうしたらいい?」
思わずセフィロスの答に緊張する三人。
「仕事が詰まってて行けないって言う事だな。あと、こんな事を言う女が遊びの場合は、早急に別れる。」
大正解〜!!、と踊る(笑)ザックスと、普段からこんなことしてるのか?と不安になるヴィンセントだった。
「別にヴィンが俺の言う事を聞いてくれたら、こんなまどろっこしいことはしていない。」
お前が俺の言うことを素直に聞いてくれればいいんだ、と近くに寄ろうとして、ぱちん、とヴィンセントにはたかれた。
「セフィ、私はお前を女性を泣かせるような子に育てた覚えはない!」
ため息をつきつつ、ちょっと涙目になりながら席を立つとくるりと背を向けて、その場を去るヴィンセント。
「セフィロス、ちょっと今のは追わないと!」
クラウドが素早く声をかける。
立ち上がるセフィロスに、
「今日の星空観測でも誘って来いよ。」
とザックスがにやりと声をかけた。
時刻は7時過ぎ、夜空を見るにはいい感じの時間帯だ。
ーあいつら、ヴィンが人当たりのいいのを知らないで・・・。あいつを誘うのは結構大変なんだぞ。
文句をいいつつも、ヴィンセントの後を追いながら、なかなかやる気になってきて、ちょっと冬の寒さが感じられる廊下を走るセフィロス様でした。

【4.10.2007】
011. 冬の星座