昨日は結局午前2時ぐらいまでかかってある案件の資料あつめだった。
別にそこまでやらなくていいと言われればそれまでだが、どうしても譲れないポイントがあって調べざるを得ない。
午前8時からの会議は代理が立てられなくて、寮に帰れずにそのまま出席した。
「次の議題はカームの公共交通機関工事に関する入札についてです。」
議長の声が眠気を誘う。
関係ないな、と目の前の書類を眺めていると、何となくふわふわと気持ちよくなってきてセフィロスはいつの間にか重い瞼を閉じてしまった。
ーセフィロス、起きて下さい!
小声で隣のリーブに囁かれて、はっと目を覚まして彼を見た。
ー質問されてます。
急いで正面のプレゼンテイターに目を向けながら、手元の資料をみると
ーげっ、よだれ・・・
口元をさり気なく(?笑)拭って、見かけだけでもきりりとした表情をする。
「えーーー、Mr.セフィロス・宝条・・・、御協力頂けますか?」
カームの開発責任者と思われる、年の頃45、6辺りのちょっと貫禄のあるお腹の男が聞いてきた。
ー何に協力するか聞いてねぇよ・・・
リーブをちらりと見るが、あいにくこっちを見ていなかった。
「あいにくだが、実行部隊に余力はない。」
安請け合いは危険なので、取りあえず断わり文句から言って、リーブがこっちを向いてくれないかなぁ・・・と思っていた。
「カームの市民を守ろうとしているのに、そんな不熱心な態度はどうかと思う。」
小太りの彼ががっかりしたようにセフィロスに言い返せないでいると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
ー誰だよ、うるさいなぁ。
と思って目をあげると、赤いコートを羽織った見慣れた男が発言していた。
「ジェネシスさん、いいんですよ。実行部隊はただでさえ忙しいんですから。」
あたふたとして、プレゼンテイターが言う。
「よくないぞ。市民の優先順位にミッドガルもカームもない。」
二人が打ち合わせ(?)をしている間に、セフィロスはこっちを向いたリーブにどんな話になっていたのかを聞き出していた。
「とにかく、実行部隊には今余力がない。でも、もし救援が必要なら開発責任者から直接事情を説明してもらえれば検討する。今もらった情報だけでは、緊急性が判断できない。」
リーブから説明された通りに返答したのだが、反対する者もいなかったので何とかその場をしのげたようだ。
「では、今の議題は両者の間で話し合って頂くとして、次の議題は・・・」
議長の言葉をバックに、自分を睨み付けるジェネシスの視線をうっとうしく思ったセフィロス様でした。
【11.6.2007】
【Revised 17th Jan. 2010】
035. 名前を呼ぶ声
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