ヴィンセントの家の玄関をくぐるのは実は2度目だ。今日と、昨日。
ーなんか俺いつもよこしまな気持ちであいつの家に来てる感じだ。
セフィロスは早くも反省点を発見。次に生かすに違いない。
1人でもんもんとしてるセフィロスを尻目にヴィンセントは食事を持ってきた。
「腹減っただろ。肉を入れてみた。」
なんだか良く分からん鍋煮込みだったがうまかったからセフィロスは満足した。
ーっとここまでの俺って全然ヴィンセントの相手してないじゃないか!
彼が作ってくれた食事を美味しく頂き、食欲を満たしただけ。
ーザックスもがんばってるんだ。俺もがんばらないと!
片づけを終えてくつろいでいるヴィンセントをちら見してチャンスを伺うセフィロス。
「明日は早いのか?」
ヴィンセントが何げに聞いてくる。
「いや。普通通り。」
こんな感じだとなかなか本題に切り出せない。
10時は過ぎてたし、少し眠さげなヴィンセントをみたら機会は少ないかもと思い、話し掛けようとしたら、
「じゃ、セフィおやすみ。」
さっさと寝室へ行ってしまった!
ーちょっと!
「待って!ヴィンセント大事な話が!」
振り向くヴィンセント。眠そうだ。
「真面目な話なんだ。」
セフィロスはなるべく真剣に見えるようにヴィンセントを見た。
「明日じゃダメなのか?」
相当眠そうなヴィンセントはちょっと不機嫌そうだ。
「だめ。決断の早さが重要な仕事なんだ。」
それを聞いてヴィンセントは戻ってきた。
「仕事なら聞こう。」
それをきいて彼はちょっと寂しくなった。
ー俺だから聞いてくれるわけではないんだ。
「実は某国への極秘調査の依頼があったんだ・・・」
セフィロスは今日入手した情報をかいつまんで、なるべくヴィンセントが興味を持つように話した。
全部話した後ヴィンセントは真剣な顔をしていた。
ー成功したかも。
ちょっと自分の思う通りに事が運んで、ほっとするセフィロス。
「でも、セフィお前はこの任務に向かないよ。」
「えっ!」
意外な言葉にセフィロスは動揺した。
「お前、某国の人間の身体的特徴を見たか?」
ー・・・見てない。
「どういうことだ?」
ヴィンセントはちょっとため息を着いて冷静に言った。
「某国は砂漠の国だろ。標準的な髪の色は黒か茶だ。お前の銀色の髪なんて目立つこと
この上ない。隠密調査なのによく上司が許したな。」
ーいやっ(汗)・・・俺の上司だともう総裁!?
「大丈夫だ。いざ、某国に入る時は俺は髪を染めるから。」
「そうか。なら安心だ。じゃ、おやすみ」
ーちょっと待て!!一番大事なことを聞いてないぞ!
「ヴィンセント!」
思わず大声を上げて呼び止める。
顔を向けるヴィンセント。
「ちなみに一緒にきてくれるんだよな。」
どきどきしながら、セフィロスは聞いてみる。ダメって言われたらリーブに連絡して別の手を考えなければ。
「断る理由はないし、断ってもお前は絶対私と一緒に行きたいんだろう?」
ーうっ・・・ヴィンはやっぱり優しい。
「よろしく。」
ちょっと緊張してセフィロスは言った。
「よろしく、セフィ。」
ヴィンセントはにっこり笑って言った。
ーうっ嬉しい...
思わず鼻血ものだった笑顔を見てセフィロスは自分はやっぱりちょっとおかしいかもと思った。
ー普通はさ、好きな人の側にいったり身体に触ったらこうなるんじゃ。顔見ただけでこうなるなんてちょっとおかしいよ。
セフィロスは自分がなんとかフェチとかじゃないかと本気で疑い始めた。
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