PCで昨日の首相救出大作戦(ほんとはもっとましなタイトルがついているはず。)の報告書を作りながら、セフィロスは上機嫌だった。
ーあの夢誰が見せてくれたんだろう。リアルヴィンセントとつぼが一緒だ!
何か神様に感謝したい気持ちで一杯だった。
ー多分世界中で俺とヴィンセントを祝福しようとしてくるに違いない。
誤解もここまでくると御気楽すぎる。まあ、色恋沙汰なのでヴィンセント以外被害者(!?)がいないのが救いか。
1時間もかからずに報告書の送信を終わり、次の作戦の概要を頭にいれはじめた。
ーうんっ!?
今度の作戦は某国へ1ヶ月間潜入捜査?目的は条約で禁止されている生化学兵器を未だに作っている疑いがある?
必要人員:某国言語が堪能な者、現地の調査員、生化学兵器の概要を理解できる素養を持つもの、戦闘用員、
できるだけ少人数で正式な査察を受け入れるだけの証拠を掴むこと。
ーこれはっ!!
セフィロスの頭がフル回転を始めた。
ーもしかしたらヴィンセントを引き抜けるかも!
確か彼は某国の言語を第二外国語に選んでいたし、日常会話に不足しない程度には使えたはずだ。戦闘用員としても使える。現地の調査員はこれから選ぶとして、
ー生化学兵器は俺の知識で充分だしな。
正宗を振り回しているだけに見えるセフィロスだが、実際には刀剣類と化学兵器が専門だ。いざと言う時は使われた化学兵器から毒物等が拡散する範囲を計算し、部下を避難させたり作戦をたてたりもする。
ー3人で遂行か。最低限の人数になるし(しかも某国へ行く時はヴィンセントと二人っきり!)
顔がにやけてくる。さっそくヴィンセントの予定を確認して使わせてくれるように頼まなければ。
セフィロスはヴィンセントの部署の統括をしているリーブヘ電話をかけた。



「某国への潜入捜査ですか・・・」
リーブはヴィンセントの予定を確認した。
今日は休みだが、その後にはちょこちょこ護衛任務や調査任務が入っている。
ー彼でないとできないというレベルのものでも無いしな。
「彼が出社したら聞いてみましょう。某国の言語に堪能な人はそういないので引き受けてくれるとは思いますが。」
「そうか。是非頼む。」
「ちなみに一緒に行動するメンバーは誰を考えていますか。」
「現地調査員はこれから選ぶ。あと俺で3人だ。」
「あなた自らですか。」
ーそんな重要な任務ですかねぇこれは。査察の口実となる材料を集めるだけですが。
少し不思議に思ったが、まあヴィンセントが引き受けるかどうか決めればいいかと思った。
ー最近彼の任務は近場ばっかりですから、遠出が出来てこのぐらい気楽な任務を一個ぐらい入れた方がいいかもしれませんね。
「わかりました。現地調査員が決まったら私にも教えて下さい。」
深くは考えずにリーブは電話を切った。

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