結局今日の仕事は遅くなってしまった。
午前4時に自分の家に帰宅しつつヴィンセントはかなり疲労していた。
ーでも泊まり込み予想しているような感じのスケジューリングだったな。ホテルに一泊してもOKだったし。
それを考えると結構上手く仕事は運んだのかもしれない。
家の前にやっとつくと安心してドアへ向かった。
鍵をあけようとして下方を見るとセフィロスがうつらうつらと眠っている。
ー!!
一瞬無視してそのまま家に入ろうかと思ったがさすがにまずいと思い、ヴィンセントは彼を起こすべく肩に手をおいた。
「起きろ。風邪を引くぞ。」
揺り動かしたが以外としぶとく寝ている。
ドアを半開きにしてヴィンセントはセフィロスを中に入れるべく腕をとった。
ー重っつ!
ずるずると玄関へ引き入れ力つきるかと思った時。彼はぱちりと目をさました。
「遅かったじゃないか。待ちくたびれたぞ。」
「待ってくれなんて頼んだ覚えは一度もない。」
反射的に答えて彼を居間へ連れて行く。
「お前はここのソファで眠れ。私は眠りたいから。」
セフィロスに有無を言う隙を与えずにヴィンセントはさっさと戸締まりをして自分の部屋へ向かった。
「相変わらず優しいのに冷たい・・・」
セフィロスは彼がさっさと自分の部屋へ向かいたいのに、後ろから抱きとめた。
「怒るぞ。私は寝不足なんだ。」
ー不機嫌そうに聞こえるといいのだが。
セフィロスはヴィンセントの言葉を聞いているのかほおずりを始めた。
「ヴィンセント相変わらずつやつやの髪だ。」
そしてそのまま彼の身体をまさぐろうとしていたので、ヴィンセントはなんとか離れようと隙を伺った。
「だめ。ヴィンセントが疲れないようにするから相手をして」
「何の相手だ。」
それを聞いてセフィロスがにっこり笑った。
「昼間の続きだ。」
ーだめだ!そんなの疲れるに決まってる。
「嬉しい?」
「全然。っていうか寝かせてくれ。」
「却下」
そういいながらセフィロスはヴィンセントの脇腹を撫ではじめた。
丁寧にすべての細胞をなめるように、刺激するようにセフィロスは手を滑らせる。
ーこのままだと抵抗できなくなる上に本当に寝不足になる・・・
ヴィンセントはゆっくりとセフィロスの身体から離れるべく彼の胸の方へ向き優しく腕を離した。
「おやすみ、セフィ」
セフィロスの腕を掴みながらヴィンセントは彼の頬へ優しくキスをした。
ちょっと不意を突かれた感じでセフィがぼおっとしているのを幸いに彼はさっさと自分の部屋へ避難した。
「ヴィンセント、ずるい!!」
遠くの方からセフィロスの抗議が聞こえて来たかもしれない。
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