2時間後にはヴィンセントとセフィロスは既にシドの船に乗って、追跡されないように注意しながら某国へ向かっていた。
出発したのは夜中だった。シドは二人を見るなり、色々話したいけどとにかく現地についたらハードになるだろうから休め、とすぐに船室へ案内した。
「わりーな、なにしろ急ぎの召集だったから用意が整わなくてよ。相部屋で頼む。」
不満そうなヴィンセントと、嬉しそうなセフィロスがありがとうと言った。
ーシエラに話したら、絶対にセフィロスがヴィンに気があるって言ってたよな。
いい機会だ。是非英雄さんには幸せになってもらいたいもんだ。
なんだか組織の人間にヴィンセントの味方は誰もいないようである。



相部屋の船室で二人っきりになった時、セフィロスはニコニコしていた。
「寝るぞ。」
不機嫌そうに目をあわせないようにヴィンセントがさっさとふとんをかぶった。
「寝かさない。」
セフィロスは当然のようにヴィンセントの上におおいかぶさり、嬉しそうにヴィンセントの首筋に顔をうめた。
ヴィンセントは首筋までぴったりとおおった服を着ていたので、キスができるように首の辺りを脱がせる。
「セフィロス!子供じゃないんだから!」
少しでも体力を温存したいヴィンセントだったが、生暖かいセフィロスの舌が首筋を這い回り、目の前で栗色の髪が揺れ始めるとぞくりとして、目をつぶった。
セフィロスはヴィンセントの上着が邪魔だったので、早々に上半身の服を脱がせた。
「あっ・・・セフィ!」
いつもと違う素早い動きに、翻弄されるヴィンセント。
首筋をなめられながら、セフィロスの両手はヴィンセントの胸を優しく撫で始めた。
「!!」
下半身がぞくりとして、目の前に揺れる栗色の髪に変な気持ちにさせられる。
セフィロスがヴィンセントの表情を見ようとちらりと目をあげる。
茶パツの髪から除くつり目に昔の思い出がよみがえりそうで、思わず上げそうになった声を飲み込んだ。
狭くて壁が薄い船室なので、ヴィンセントは声を殺した。
空気を飲み込んでくぐもった音がヴィンセントの口からもれでるのが、セフィロスに聞こえた。
セフィロスは胸の乳首をさらに優しく上の方だけ撫でる。
「はあっ・・・あっつ・・・はあん・・・」
たまらずに眉をひそめる。
「声を聞かせて、ヴィンセント。いい声を。」
「やっっだっつ!」
目をつぶって、快感をやり過ごしている。
セフィロスの舌はヴィンセントが一番感じる首のポイントをぴちゃぴちゃし始めた。
「あっつ!はあっああん!」
油断して思わず感じてしまったヴィンセント。
セフィロスの栗色の髪とヴィンセントの黒髪がベッドの上できれいに混ざって、まるでマーブル模様のようにうねり動いて見える。
セフィロスは乳首を撫でている手を一方を離して、ヴィンセントの股間のものを撫で始めた。
「あっ!・・・はあんっ!」
思わず感じている声をあげてしまった。
セフィロスはヴィンセントの両足を開かせながら、言った。
「ヴィン、ここすごい大きくなってるよ。本当は我慢できないんじゃない?
ずっと抱いて欲しかったとか。」
「ちっがっ!、セフィ本当に止めて!お願い!」
わけのわからない快感に背を反らせながら、ヴィンセントはセフィロスに涙目で訴えた。
本当はセフィロスの身体を突き飛ばして逃げたいのだが、彼の顔をちらりとみると何故か力が入らずに抱きとめられたままでいる。
愛撫を止めずに囁くセフィロス。
「身体と口と言うことが全然違うな。」
口を塞いで中に舌を入れた。
セフィロスが撫でる度にびくびくと震えるヴィンセントは理性が吹っ飛びそうになっていた。
「んっんん!」
口を塞がれて抗議の声のあげられない。
涙目の目がさらに潤んで、涙がつうっと流れた。
愛撫しながら、セフィロスが口を離して舌で涙を受け止めようした瞬間ヴィンセントは口をひらいた。
「セフィ、(ああん、あっ!)お前をルクレツィアだと思いたくないんだ。だからっ・・・」
栗色の髪を見ないように、セフィロスに目をあわせるヴィンセント。
眉を顰めて手をセフィロスの肩にかける。
ーこんな色っぽいなんて反則だ。
と、セフィロスは愛撫を続けようとした。
「セフィ!お前が私のことが好きでしょうがないのは、いくら鈍い私でも分かってるから。だから、」
ルクレツィアの事が心の中で整理がつくまで、待ってくれないか。
セフィロスはびっくりした。
ーって、事はちゃんと考えてくれるって事。
今までどう考えてもあしらわれてるだけだったのがすごい前進だ。
(だから、既成事実を作って何とかしようと考えていたわけで。)
「ヴィン!ありがとう。」
首と口とにキスをする。
「だっかっら、セフィ私の意志を無視して(あんっ)勝手なことをする・・・」
唇をふさがれて最後まで言えなかったが、取りあえずセフィロスに内容は伝わったらしい。
その後、おとなしく自分のベッドに戻って眠りについたからだ。
一方ヴィンセントはかなりの間眠れずに、物思いにふけっていた。
ールクレツィア、どう考えても君の息子とうまくいくと思えないんだが・・・
思わず助けを求めるように話し掛ける。
既にこの世の人ではないが、ヴィンセントにとってはそんなことはどうでもいいことだ。
眠ろうとしても、どうも身体が火照って眠らせてもらえない。
ーセフィのやつ・・・まったく。
冷たいシャワーを浴びて、眠りにつこうとヴィンセントはベッドから出た。

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