シドがいなくなった後セフィロスはヴィンセントに絡んでいた。
「セフィ、本当に仕事終わったんだろうな。」
あまりにしつこいので、ヴィンセントが聞く。
「ナナキに見張られながら終わったので、全部大丈夫だ。」
自信を持って答えて少しでもヴィンセントにすり寄ろうとするセフィロス。
「なら、気になることがあるんだ。」
ヴィンセントはさっき調べた人員検索をセフィロスに見せた。
某国を調べている人たちと某国にかかわりのあった科学者のリストだ。
ーこれは・・・
さすがのセフィロスもヴィンセントにじゃれている場合ではなかった。
某国を調べている研究者、調査員達は8割方行方不明になっている。
しかも行方不明の地は全部某国ときている。
「ヴィンが読んだ本の著者は某国にて行方不明か。」
そうだ、と言ってヴィンセントは科学者のリストを今度は上にした。
科学者のリストは一見不穏な感じはしない。
ただ、全部某国からの資金援助を受けており某国の大学教授の肩書きを持たされている。
ーしかもほとんど遺伝子研究をしている研究者だな。
方針かもしれないが余りにも偏り過ぎている。
「ヴィン、なんか変な案件に巻き込んだみたいだ。もし危なくなったら俺が守るから。」
セフィロスが心配そうにヴィンセントを見る。
「心配するな。取り越し苦労かもしれないから。」
ヴィンセントはにっこり笑った。
「某国については情報が少なすぎるし、この情報だって古い可能性が高い。
もしかしたら、全く安全な国になっているかもしれないしな。
どちらにしても、ルクレツィアのかわいい息子を危ない目に遭わせたりはしないよ。」
きゅんと胸が切なくなってセフィロスはヴィンセントを見た。
ー思ったよりも大変な任務かもしれない。
セフィロスは徐々に仕事の顔になった。
「俺は部下を無駄に危険なめに遭わせたくない指揮官なんだ。だから、」
セフィロスはヴィンセントを見た。
ヴィンセントはにっこり笑ってセフィロスの手を取り、大丈夫だから、と声をかける。
「だから、ヴィン一人でなんか解決しようとか、危ない所に行くとかいうんだったら、俺も絶対に一緒に行くからな。」
ちょっとびっくりしたヴィンセントはセフィロスを見て、言った。
「分かったから。でも、私も自分から危ない目に遭いにはいかない。ルクレツィアにもらった命だ。」
ーどうも俺の真意が伝わった気はしない・・・
資料室を追い出されたセフィロスは考えた。
でも、今戻っても結果は一緒だろうと思い、次に開く会議の議題を頭の中で軽く考える。
ーもしかしたら、もう実行に入る時かもしれないな。
と思いながら。
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