扉が閉まったのを確認してリーブとティファは二人揃って、扉に耳をあてた。
ーちょっとリーブ、私はクラウドとの仲がかかっているのよ!
ー私だって、かわいい部下が喰われるのを黙って見ていられません!
二人は扉の奥から声が全然聞こえないのが分かると、早々に中の様子が見られる警備室のモニターへ向かった。



「ヴィンセント、俺の銀髪好き?」
ーは?
わけの分からない質問をされてあっけにとられるヴィンセント。
セフィロスはすねるようにヴィンセントを見た。
「別にそうでもなっかったらいいんだけど。」
なるべくさり気ない風をよそおって、セフィロスが言う。
「セフィ、私はお前の銀髪は好きだがそれと任務がどう言う関係が??」
ーやっぱり好きなんだ。
セフィロスはがっかりして肩を落とした。
せっかくの一ヶ月、ヴィンセントに迫るのには絶対彼好みの格好が良いに違いない。
でも、髪が好きだったら何の意味もない!
とセフィロスは思ったのだった。
「でも、セフィは全然親に似ていないな。宝条は黒髪だし、ルクレツィアは栗色だった。」
万が一私が親だったとしても私は黒髪だしな、という言葉は聞いていなかったがルクレツィアの栗色がセフィロスのつぼにはまったらしかった。
「ヴィンセント、一緒に某国の任務がんばろう。」
ー??!!
よく分からないが、セフィロスがやる気になって良かったと思ったヴィンセントだった。
「あと、聞きたいことがあるんだけど。」
これで終わりかと思ったら、セフィロスが話を続ける。
「なんだ。」
セフィロスを真直ぐ見上げるヴィンセントの目を見て思わずセフィロスはドキドキしてしまった。
ーなんか、俺ヴィンセント好きが加速してないか?
間髪入れずヴィンセントを抱き締めた。
「!セフィ!」
ーきゃあ!セフィロスがんばって!
と、警備室モニターの前のティファ
ーどきどき
と、同じくリーブ
「キスしていい?」
切なそうにヴィンセントを見る。
ーあれだけ色々やらかしてきているのに、今度はずいぶん愁傷だな。
と、ヴィンセントは思った。そして、セフィロスの耳もとに囁いた。
「多分警備室モニターで見られてるぞ。」
はっ!とセフィロスがカメラを見た。
「きゃっつ!」
ティファがセフィロスと目があった気がした。
「びっくりしました。」
とリーブ。
隙をついてヴィンセントはセフィロスの腕から抜け出した。
「相変わらず、ずるいよ。」
セフィロスは悔しそうに言う。
「見られるのは好きじゃない。」
さっさとドアをあけて去って行った。
取り残され、呆然とするセフィロスは思わずカメラに顔を近付けて言った。
「お前らよくも邪魔してくれたな。覚えてろ!」
カメラの向こうで二人は思わずコソコソした。

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