某国砂漠地帯ー
エアリスは逃げていた。追っ手は多分まいたと思うのだが、何となく嫌な気配が消えない。
ー砂漠は私の庭みたいなものだからここに来てしまえば・・・
オアシスの場所も分かっているので迷うこと無く砂漠地帯を進んだ。
幸いまだ乾季にはなっていなかったのでじりじりする太陽はない。
ー良かった。大丈夫みたい。
気配がなくなったのを感じてほっと息をついた。
安心して使えなかった携帯を取り出すと着信履歴が同じところから何回もあり、留守電もかなり入っている。
ーいたずら!?っなわけないか。
きっと重要な仕事の依頼ね。と留守電を聞き始めた。
なかなか連絡がつかなかったエアリスから今日の午後連絡が来た。
現地調査員ひきうけるわ。でも、私あのメンバーじゃ子守りよね。
ーっく・・・子守り・・・
エアリスの言葉がつぼにはまりそうなティファだった。
まあ、セフィロスにとっては良かったわね。恋するものは運も呼び寄せるのかしら。
乙女チックなセフィロスを想像して楽しんでいるティファであった。
でも、連絡はついたけど会うのが大変ね。その辺を打ち合わせしないと。
一応内容は関係者全員へメールで送っておいたが、エアリスのいる立場はかなり危ないものであった。
組織の現地調査員と言うのがばれたら国外退去か投獄になりそうな勢いの治安だと言う。
ー楽勝の任務だと思ったら以外と手強いこと。セフィロスの人選は以外に良かったわね。
でも、そんな政情ということはきっとたたけばまずいことがでてくるに違いない。
ー某国でなにが起こっているのかしら。
他人事ながら気になるティファであった。
人選が決まった時点でセフィロスは早速作戦会議を開いた。
とりあえず関連部署のリーブ、ティファ、ヴィンセントで4人の会議だ。
ティファは実際の作戦には関係ないが全員がこっちにいる間はエアリスとの連絡役となる。
「とにかく、思ったよりも治安が悪いのを作戦にどう生かすかだ。」
セフィロスは張り切って言った。
「でも、わかならいのですが、」
とリーブ。
「私達の組織はこれと言った政治色はない営利目的の国連組織のようなものです。その調査員ということがばれると投獄とはあまり穏やかじゃないですな。」
「エアリスは他の組織の調査員のことは言っていたのか?」
セフィロスがきく。
「実は携帯の電池が切れちゃって、そんなに長くは話せなかったの。しかも、エアリスは見つからないように定期的に移動しているので、携帯をいつ話せる状態にできるかもわからないって。」
ティファは心配そうに答えた。
「エアリスからの情報がスムーズに入らないとなると、こっちでできるだけ調べた方がいいな。」
とヴィンセント。
某国へ入国するのは密入国がいいか、パスポートを使って正々堂々とがいいか、今の所調べる対象となっている生化学兵器工場はどこにあるのか、エアリスにはどうやって落ち合ったら良いのか・・・
議題はどんどんでてきたが、回答ができたのはほんの少しであった。
1エアリスと落ち合えるのを最優先に渡航時期を決定。
2生化学兵器工場の調査、検討は主にエアリスの情報に任せる。(外部からの情報アクセスに警戒心を抱かせないため)
3入国までの間なるべく現地の情報をヴィンセントを中心に集める。
4こちらの情報受け入れ体制はリーブを中心にセフィロスの実行部隊の人選、派遣も含む権限を委譲。(延長捜査の際戦闘用員が必要な場合を考慮)
5リーブからルーファウスヘ現地情報の提供と同時に相手の動きを探る。
「こんなもんかな。」
セフィロスは思ったよりも収穫が会った会議に満足感をもった。
ーもっと無駄な会議は幾らでもあるからな。
「いいなんじゃない。でも、私エアリスが心配だからできれば協力したい。」
ティファが言う。
「そうだな、某国は女性の方が警戒されにくい文化圏だから、かえってティファが最初に行った方が収穫があるかもしれない。」
ヴィンセントが答えた。
今の発言で全員の思考が止まる。
ーヴィン!俺はお前と行きたくてこの計画をたてたのに!
ーそんな!わたしは楽しく、生暖かく二人の恋路を見守るはずですよ!
ー失言!またクラウドのもやもやを蒸し返しちゃうわ!
沈黙してしまった三人を見てヴィンセントはなんかまずいことを言ったのか?と思った。
「いや、メンバーを変えた方が良いということではないのだが。」
その言葉を聞いて一番安心したのはセフィロスだった。
「ヴィンセント、俺の作戦はお前がいることを前提として作っているのでもしメンバーを変えるなら作戦変更をする。でも、できれば良い作戦なので実行したい。」
それを聞いてリーブとティファが食い付いた。
「それって、どんな作戦(ですか)!」
セフィロスは二人をちらっと見て、
「実行部隊の作戦は秘密事項だ。教えない。」
にやりと笑った。
ー残念です。ヴィンセントがどんなことをするか知りたかったのに
と、リーブ。
ーセフィロスも冷たいわね。教えてくれれば協力してあげるのに。
と、ティファ。
色々と会議の議題以外に話が続きそうだったので、セフィロスは早々に会議を切り上げた。
リーブとティファが部屋から出るのを見つつ、
「ヴィンセント、ちょっと待って。」
とセフィロスは声をかけた。
「なんだ。」
ヴィンセントは立ち止まる。
他の二人が出て言ったのを確認して、セフィロスは扉を閉めた。
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