ベッドに安らかに眠っていると、朝の太陽の光がヴィンセントの顔にかかった。
ーもうこんな時間か。
体を起こそうと両手をつくと、起きあがれずにベッドに抱きとめられている感触がした。
ーセフィ?
眠りこけている彼を優しく引き剥がそうと、腕に手をかける。
「んっ・・・ヴィン・・・?」
寝言のような言葉を呟いたので、ヴィンセントは優しく額にキスして腕から体を離そうとした。
ゆるく拘束しているかと思ったが、全然離さないのでセフィロスの手を根気よく引き剥がすことにする。
ーこいつねぼけて全然動かないよ。
自分の背中に回されている腕を一生懸命外そうとしているヴィンセントを見て、セフィロスが薄目を開けてにやりとしたのは分からなかっただろう。
「はっ!ああっん!」
下半身に突然雷のような刺戟が走って、ヴィンセントはベッドに倒れ込んだ。
「セフィやっ・・・はあん・・・いやっ・・・」
自分のものをくわえこんでいるのが分かったヴィンセントは、セフィロスを強引に引き剥がそうとして更に感じてしまった。
「だめっ!ああっ・・・」
我慢できないくらい興奮して来た彼のものから唇を離して、セフィロスが呟いた。
「ヴィンのスープが飲みたい。」
セフィロスの頭を手で包みながらヴィンセントが聞く。
「何?スープって。」
セフィロスは舌を伸ばして、ヴィンセントのものの一番敏感な所を舐めた。
「ここから出てくるスープだよ。」
あっ、いやっ・・・とのけぞるヴィンセントを満足そうに見て、さらに彼自身を口に含むセフィロスだった。


ヴィンセントの物をくちゅくちゅくわえて感じさせていると、彼はたまらずに声を上げ始めた。
「セフィっ!!ああんっ!!はあんっ!」
もうすぐで達しそうだったので、寸前で愛撫をやめて耳もとへ口を寄せていった。
「ヴィンのスープって濃い味にしたいって言ったらなる?」
そんなの知らない!、と言った瞬間に深くくわえこまれて腰がびくびくして来たヴィンセントだった。
少し動きが止まって、ヴィンセントの余裕ができて来た感じになるとまた、条件を付け加える。
「ヴィン、腹減った。いつ頃できる?」
「・・・そんなの知るか。」
「俺次第?」
怒った感じで顔を背けるヴィンセントを後ろから抱き締めて、耳もとに口を寄せた。
「オーダーメイドだから時間がかかるか。」
手を彼のものの方へ這わせて、軽く愛撫する。
「はっあん・・・、セフィは言い方がすごいいやらしいんだよ。」
愛撫に顔を赤らめながらヴィンセントが答えてくる。
「ヴィンの身体がエロいからさぁ、思わず言っちゃうんだよ。」
愛撫の動きを少しずつ早めていくと、ヴィンセントが眉を顰めて喘ぎ声を上げ始めた。
「ほら、そんな色っぽい反応されると思わずもっと可愛がりたくなる。」
唇にキスをして彼を仰向けにする。
手の愛撫は止めずに、唇を離すとそのまま舌を下半身に向けて這わせだした。
少しずつ敏感な部分に舌が近付いてくる感触に、ヴィンセントは自分の肌が粟立つ感覚がした。
ーこんないいように愛撫されて、感じるなんて・・・
自分の反応が気恥ずかしくなってくる。まあ、セフィロスは喜んでいるが。
「あっ・・・ああん・・・」
また生暖かい感触に包まれて、ヴィンセントは身体を震わせた。
セフィロスの手はヴィンセントの身体を這い回り、乳首を優しく愛撫する。
「あんっ・・・」
セフィロスの口の感触に理性が飛びそうになる。
セフィロスの髪に手を絡ませて頭を掴んで愛撫に身を任せていると、だんだん身体の感覚が無くなっていく感じがして来た。
麻酔をかけられたようにしびれて来て、彼に含まれている自分自身しか分からなくなって来た瞬間、セフィロスが激しく彼を吸い始めた。
「ああっ!」
思わず手に力が入って、腰を引こうとしたらしっかり掴まれて更に激しく愛撫された。
「やっ!セフィ!やぁっ・・・」
揺れ動く腰をしっかり押さえられて、さらに攻め立てられるように愛撫をされるとヴィンセントは身体を反らして震わせた。
ー感度が良いのは昔からだけど、最近さらに良くなったよな。
ああっ・・・と喘ぐヴィンセントの達するポイントを感じるように撫ではじめる。
口の中の彼自身が耐えきれない感触がした時、ヴィンセントの腰が震えて彼が達したのが分かった。
きれいに飲み込んだあと、息を切らせているヴィンセントの肌を撫でる。
「あんっ・・・セフィもういいから・・・」
ぼーっとして時計を見るともう絶対出社時間に間に合わない時刻だった。
「ヴィン、ごちそうさま。」
「・・・そういう発言がいやらしいんだよ。」
こんな時間じゃ午後からだ・・・とリーブに連絡しようとしたらあっさり止められた。
「こんなことの後に、上司に電話なんて情緒のないやつ。」
両手を使えないように絡ませて、唇にキスをしてくる。
5〜6回唇を重ねられて、ヴィンセントがため息をついた。
「今日は休みじゃないのになんで朝っぱらからこんなことするんだよ。」
不満そうなヴィンセントを見てセフィロスがくすりと笑う。
「ちょっと美味しい朝食が食べたかったんだよ。」
「美味しくないだろ。普通に考えて。」
大体私の朝ごはんはどうしてくれる、と言い返すと、俺のをやろうか?と言われてしまった。
「ばか、エロ魔人。」
言った後に素早く彼に唇を重ねてやっと起き出せたヴィンセントだった。
彼が身支度をしているのを見ながら、時々はこんな朝もいいよな〜、とにやにやするセフィロスさんでした。
お昼過ぎに出社すると、ちょうど昼御飯から帰って来たリーブと二人は鉢合わせした。
「二人とも遅れるなんて、珍しいですね。」
リーブが声をかける。
「ヴィンの手作りスープを飲んでたら遅れた。」
セフィロスの発言に思わず目を反らすヴィンセントだった。
「ヴィンセント、あなたもずいぶん可愛らしいことしてますねぇ。」
ー可愛くない!全然!
ヴィンセントが曖昧な顔をすると、リーブはにっこり笑って美味しかったですか?とセフィロスに聞いて来た。
「まあな。」
にやりとするセフィロス。
黙れよ!とセフィロスを睨み付けるヴィンセントだった。
「じゃあ、今度私にもごちそうして下さい。」
「断わる。」
「絶対だめだ。」
リーブの発言に思わず二人で勢いよく答えてしまった。
言った後にはっとしてちょっと赤くなるヴィンセントを見て、リーブが何かを勘付いたようににこーっと笑った。
「じゃあしょうがないですね。今度レシピでも教えてもらえれば。」
セフィロスの方をちらりと見て、では、と去っていくリーブだった。
「セフィが余計なこと言うからだぞ。」
「ヴィン動揺しすぎだ。」
二人で声を顰めて話している様子を後ろから見たティファが、今日も仲いいなぁ〜と楽し気に見ていた。